ヘアカラーが原因でアレルギーが発症!?

白髪染め、ファッションカラーをしている時や染毛後に、かゆみを感じたり、頭皮に湿疹がでた経験がありませんか?

実はそれ、「アレルギー」の症状かも…!

2015年11月頃から新聞やTVで、ヘアカラー剤によってアレルギー症状が出ることがあるというニュースが、数多く取り上げられています。

ヘアカラー剤によって引き起こされるアレルギー症状には、「頭皮のかゆみ」、「頭皮のかぶれ」、「頭から首筋にかけての湿疹」、「顔全体の腫れ・むくみ」などがあります。

アレルギーは、それまで全く症状がなかったとしても、ある日突然身体に変化が起こり、ヘアカラー剤を使用することで、再びかゆみなどを強く感じるようになってしまいます。

「今まで20回カラーをやったことがあるし、今日も大丈夫♪」と思っていても、21回目に症状が出てしまうこともあるのです。

かゆみぐらいと思って、簡単に考えていると大変なことに。
最悪のケース、呼吸困難や激しい頭痛、動悸などの症状が出て入院が必要になってしまうこともあります。

アレルギー症状が出ると、症状が落ち着くまでに時間を必要とするため、仕事だけでなく日常生活にも支障が出ます。お薬代などの医療費も必要になってしまいます。

白髪染めやヘアカラーをする前に、アレルギー症状を起こさないための正しいアレルギー対処法をすることが大切です!

今回は、ヘアカラー剤でアレルギー症状が起こる仕組み、アレルギーが起こった場合の対処法とアレルギーを起こさないための予防法についてご紹介します。

目次

アレルギーは誰にでも起こる可能性がある!?

消費者庁に届けられている毛染めによるアレルギー発症件数を調べてみます。(※下図参照)
平成22年~平成26年の5年間に約1,000件も報告があります。

表 消費者庁の事故情報データバンクに登録されている毛染めによる皮膚障害事例の件数の推移
受付年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度 平成26年度
皮膚障害
事例件数
154 (18) 196 (44) 238 (36) 201 (29) 219 (39)

注:( )内は、皮膚障害の事例のうち傷病の程度が1か月以上の件数で登録されている件数
引用元:毛染めによる皮膚障害 – 消費者庁

アレルギー(アレルギー性皮膚炎)は、アレルギーの原因物質に反応する人にしか症状が起こりません。アレルギーの原因物質(アレルゲン)は、個人によって反応する物質が違うだけではなく、その多くが日常生活で聞いたことがない物質のため特定が難しいのです。

上記の様な理由から、アレルギー性皮膚炎は、商品の開発によって防ぐことのできる刺激性皮膚炎(※)に比べて、対策が遅れています。

※刺激性接触皮膚炎とは

皮膚表面のバリアの状態によって個人差はありますが、誰にでも起こる可能性がある皮膚炎。

刺激の強い製品を使うことで、手荒れや肌荒れから始まり、湿疹などへ広がっていきます。刺激を少なくした商品の開発が進み、以前に比べて刺激性皮膚炎は起こりにくくなっています。

アレルギー性皮膚炎3つの特徴
  • 個人で、アレルギーを引き起こす原因物質(アレルゲン)が違う。
  • アレルゲン物質は、特定することが難しい。
  • アレルギーは、いつ発症するのか分からない。

ヘアカラー剤が引き起こすアレルギー性皮膚炎の原因

ヘアカラー剤でアレルギー症状が出るのは、カットされる私たちだけではありません。ヘアカラー剤を塗る側の美容師さんにもアレルギー症状が出る場合があります。

美容師のアレルゲン物質

※引用元:独立行政法人労働者健康福祉機構

カラーを塗る美容師さんにも、カラーを楽しむ私たちにも、アレルギーを引き起こす可能性があるヘアカラー剤。

実は、ヘアカラー剤には、アレルギーを起こしやすい物質ジアミン(酸化染毛剤)が含まれています。

上図からもアレルギーの起こる可能性が最も高いアレルゲンは、ヘアカラー剤・染毛剤に含まれるジアミン(酸化染毛剤)だと分かります。

ジアミンよりもアレルギーを起こしにくいシャンプー、ヘアマニキュア、スタイリング剤でもアレルギー症状が出ることがあります。

皮膚のバリア機能が弱って、アレルゲンが身体の内部に侵入しやすい状態になっている時は要注意です!

体調が良くない日や、頭皮にダメージ(かゆみ・キズ)がある時は、ヘアカラーを控えてゆっくり体調を整えてあげることが必要です。

ジアミン類 最凶【パラフェニレンジアミン】

ジアミンの中で、最もアレルギー反応が出やすい物質がパラフェニレンジアミンです。 東北労災病院の調査では、テストを行った人の約75%にアレルギー反応がでました。

※引用元:独立行政法人労働者健康福祉機構

パラフェニレンジアミンは、発色がイイ、色が髪に着きやすいなど染毛力にすぐれているため使用される製品が多く、ヘアカラー剤には欠かすことのできない成分となっています。

ヘアカラーは誰もが楽しむ美容アイテムの一つです。
ただ、ヘアカラーは薬剤でカラーを着色させるわけですから、髪・頭皮への負担が大きく、だれにでもアレルギーになる危険性があります。

「私は美容院でカラーをしないから大丈夫!」と安心はできません!

ドラッグストアーやスーパーで売られている一部カラー剤の中にもアレルゲンとなり得る物質は含まれています。

つまり、美容院でも自宅でも、ヘアカラーを繰り返しているだけで、知らず知らずのうちにアレルゲンとの接触回数が増えているということです。

もう少し、ヘアカラー剤とアレルギーについて解説してみます。

アレルギーに気をつけたい理由とは?

ある日突然、アレルギー症状が出てしまうと、その後アレルギーが出ない体質に変えることは困難です。アレルゲンとの接触が起こるたびに、アレルギーを起こすようになります。

ヘアカラー剤でアレルギーを発症した場合、「2度とカラー剤を使ってはいけない!」と言われるのはこのためです。

アレルギーの特徴
  • 症状は、激しく完治までに時間がかかる
  • アレルゲンに少しでも接触すると、アレルギー症状がでる
  • アレルゲンに接触してアレルギー症状が出るまでに24時間~48時間かかってしまうため、原因物質に気付きにくい

アレルギー症状が出てしまうと対処が難しくなります。
アレルゲン物質が分からないま皮膚炎がひどくなってしまい、日常生活に支障がでることもあります。仕事に行けなかったり、お買い物にいけなかったりすると大変です!

さらに症状がひどくなると、頭痛、動悸、おう吐、最悪の場合は入院が必要になります。

もし、アレルギー症状が出てしまったら早期発見が大切です。
今は、アレルギーのない方もアレルギーについて知ることで早期発見ができます。 早期発見をするためにアレルギー症状の見分け方をご紹介します

カラー剤による症状まとめ

非アレルギー アレルギー
名称 刺激性接触皮膚炎 アレルギー性接触皮膚炎 アナフィラキシー
原因 強酸性等の強い刺激性を持った成分に触れることで誰でも皮膚炎を発症する。 特定のアレルゲン(原因物質)に触れることで、突然症状が出る。個人でアレルゲンが異なるため、誰でも発症するとは限らない。また、アレルゲンの特定は難しい。
反応する人 誰にでも起こりえる アレルゲンに反応する人だけ
主な反応がでる組織 皮膚・頭皮 部分的な場合から、全身に症状が出る場合までさまざま。複数の症状が、短時間に現れ、身体の複数の場所に広がる。
主な反応がでる部位 原因物質との接触ある場所 原因物質との接触ある場所。症状が重くなると、接触部分以外に広がることがある
主な症状 痛み・かゆみ・水疱・腫れなど じんましん・息切れ・動悸・せき・くしゃみ・めまい・腹痛・頭痛・おう吐など
対策 手袋をするなど直に肌に触れないようする。または刺激の弱い成分に切り替える。 一度アレルギーを発症してしまうと、症状がおさまったとしても再度アレルゲンに触れるとまた症状が現れる。症状を繰り返していると、どんどんアレルギー反応が重くなっていく為、アレルゲンには接触しないことが重要。
アレルギーが出た場合の対処法

アレルギー症状は、ある日突然に起こります。定期的な白髪染めの時や、イメージチェンジのカラー染めの時に、アレルギー反応が出てしまうかもしれません。
もし、アレルギー症状が出た場合は、早急な対応をとってください。

 カラーリング中にアレルギーが出た場合

美容院・自宅でカラーリングをしている時に、強いかゆみやピリピリ感、気分が悪くなったりした場合は、すぐにカラーリングの使用を中止してください。

美容室では、スタッフさんに症状を伝えてカラーリングを中断してもらいます。 カラーリングを中断した後は、すぐにシャンプーをしてカラーリングを落とします。

医療機関(皮膚科)で診断される場合は、ヘアカラー剤の成分表を持参すると早くアレルゲンを特定できます。美容室でカラー成分表はいただけますので、ヘアカラー剤の成分表を持参して医療機関に向かいます。

 カラーリング後にアレルギーが出た場合

アレルギー症状は、カラーリング後24時間~48時間で出ることがあります。美容室でカラーリングしている時は大丈夫だったのに、帰宅をして気分が悪くなったり、頭皮にヒリヒリ感を感じたり、水ぶくれができるなどの症状がでます。

帰宅した後にアレルギー症状が出た時は、ヘアカラー剤の成分表が必要となりますので 、まず美容室に連絡を入れます。美容室からヘアカラー剤の成分表をいただいた後、医療機関に持参し診断を待ちます。

ヘアカラー剤によるアレルギーを予防する方法

カラー剤のアレルギーは、予防することができます!
カラー剤のアレルギーには、予防法があります。これからご紹介する予防法は、アレルギー症状を起こさないための方法なので、ヘアカラーをする前に思い出してください。

と言っても、予防法はシンプルです。
カウンセリング&パッチテスト」と「ジアミンを使わずにカラーリング
この2つです。

それでは2つの予防法について解説します。

ヘアカラー剤のアレルギー予防法1 カウンセリング&パッチテスト

ヘアカラー剤のアレルギーは、カラー剤に含まれる成分(ジアミンなど)が、あなたのアレルゲンになっていることが原因です。

そのため、ヘアカラー剤の使用前に
あなたの体質がジアミンなどをアレルゲンとしていないかどうかテストすることが大切です!

パッチテストは、美容室、自宅、どちらでも行えます。 市販のヘアカラー剤にもパッチテストのやり方が書かれた紙が入っています。自宅でヘアカラーをする時は、しっかりと説明を読み、パッチテストをしてカラーリングを行うようにしてください。

今まで大丈夫だったからとスグにヘアカラー剤を使用せず、毎回パッチテストを受けるようにしてください。
(※美容院でのパッチテストは、カラーリング当日にできない場合があります。事前に美容室へのお問い合わせをおすすめします。)
多くの美容室では、来店の時に 希望の髪型やヘアカラーの希望などのカウンセリングがあります。

カウンセリングの時に、以前ヘアカラーをした時の状況(かゆみ・かぶれ・腫れ等)を伝えておくと、頭皮プロテクトやノンジアミンのヘアカラー剤を使用するなどアレルギーが起こりにくい方法でヘアカラーをしていただけます。

カラー剤のアレルギー予防法2 ジアミンを使わずにカラーリング

ジアミンアレルギーを予防する一番簡単な方法は、ジアミンを使わないことです。

ジアミンを含んでいないノンジアミンの染毛料でカラーリングすることができます。

ノンジアミン染毛料
ヘナ染料

ヘナとは?
ヘナ(HENNA)はインドを中心に中東や西アフリカなどの熱帯地域に栽培されるミソハギ科の低木です。商品として売られているのは、その葉を摘み取り、乾燥させ粉末にしたものです。
引用元:http://www.j-henna.com/  NPO「日本ヘナ協会」 – ジャパンヘナ

ヘナは、天然染料で安全ということで人気のあるノンジアミン染毛料です。白髪染め用や髪のトリートメント効果を期待してヘナを使用される方が増えています。

※販売されている一部商品の中には、ヘナであってもジアミンが含まれていることがあるので、使用前に注意が必要です。

ヘアマニキュア

ヘアマニキュアは、一回の使用で色素(酸性染料)が髪の外縁から内部にまで浸透して染毛します。カラーリンス、カラートリートメントの場合は、リンスやトリートメントとして使用していくうちに、色素が髪の表層部に徐々に浸透・蓄積し、髪を染めていきます。

ヘアマニキュア、カラーリンス、カラートリートメントの
使用前・使用後 毛髪断面図

出典:日本ヘアカラー工業会HP
引用元:http://www.jcia.org/ 日本化粧品工業連合会

ヘアマニキュアは、ジアミン(酸化染毛剤)を含むカラー剤と混同されがちですが、ジアミンは含まれていません。酸性染料という色素を使用しているので、ジアミンと間違われることがあります。商品の説明をよくチェックして間違えないように気を付けてください。

ノンジアミン染毛料のメリット
  • 酸化染毛剤にアレルギーが出る場合でも使用できる。(ノンジアミンでもパッチテスト後の使用が安心です)
  • 髪を傷めずに、染毛することができる。
ノンジアミン染毛料のデメリット
  • 脱色作用がないため、明るい色にはできない。
  • シャンプーをする度に、少しずつ色落ちしていく。

アレルギーにならずにヘアカラーを楽しむためのポイント

ヘアカラーを今よりも安全に楽しむためのポイントは、ジアミン(酸化染毛剤)を含む染毛剤とヘアマニキュアなど(染毛料)を上手く使い分けることです。

「白髪染め」、「おしゃれ染め」どちらでも、髪にダメージをかけてしまいます。カラーをした後は、トリートメントやコラーゲンでダメージを受けた髪に、栄養と休養を与えてあげることが大事です。

忙しい毎日で、ついついヘアカラーとパーマを同じ日にやっていませんか?
美しい髪を楽しむために、できればヘアカラーとパーマを同じ日に行わず、ヘアカラーの日・パーマの日と別日にしてください。別日に分けることで、髪のダメージを軽減することができます。

カラー・パーマで弱った髪に
sizqu Collagen(シズクコラーゲン) 50mL
高濃度コラーゲンを配合した洗い流さないトリートメント。お風呂上がりやお出かけ前など日々のケアとしてはもちろん、ホームカラー時の前処理剤としても利用できます。

ヘアカラー剤の上手な使い分け3パターン

 しっかり染めたい場合(染色度 ◎ 安全性 △)

パッチテストができるヘアサロンや美容室で、安全にヘアカラー。【染毛剤を使用】
↓(約2週間)
髪が伸びてきた髪の根元部分に、カラートリートメントなどでカラーを入れる。【染毛料を使用】
↓(約2週間)
やや退色を感じ始めた時に、美容室で安全にカラー【染毛剤を使用】

ジアミンとの接触回数を減らすために、染毛料を活用しよう!

白髪染めを目的にヘアカラー剤を利用されている方は、2週間に1回程度カラーを繰りかえしてしまうと、頻繁にジアミン(酸化染毛剤)に触れてしまいます。ジアミンが体内に蓄積され続けると、いつアレルギーを発症してもおかしくありません。

「白髪が目立ってくるし…。じゃ、どうしたらいいの?」

ジアミン(酸化染毛剤)に触れる回数を減らすため、ヘアトリートメントやヘアマニキュアを次回の白髪染めまでに上手く使ってください。根元部分の白髪を目立たなくしてしまうことで、 ヘアカラー剤を使用する回数を減らすことができます。

 ナチュラルに染めたい場合(染色度 △ 安全性 ○)

ヘナカラー(天然植物成分100%)で白髪染めを行う。ヘナカラーは、植物の粉末を原料とするカラー剤ですが、稀に植物アレルギーが起こる場合があります。もともと植物アレルギーの方は、パッチテスト後のヘナカラー使用がより安全です。

 安全重視で染めたい場合(染色度 × 安全性 ◎)

カラートリートメントを毎日もしくは2~3日ごとに使い、少しずつ髪にカラーを入れます。髪の内部にまで色が入らないため染毛度は弱くなります。

カラートリートメント・ヘアマニキュアだけでも、十分に白髪を染める事ができます。

カラートリートメント・ヘアマニキュアだけでヘアカラーをすることは、ジアミンに全く触れることがないので髪と身体に優しい方法です。

ジアミンを含まない染毛料
白髪染め用カラートリートメント
ホーユー レセ カラートリートメント 245g
髪と地肌をやさしくいたわり、使うたびに徐々に染まるカラーリング効果で、美しく自然な髪色に導くカラートリートメント(男女兼用)。白髪染めの退色を防ぎたい方にもオススメです。
オシャレ染め用カラートリートメント
エンシェールズ カラーバター【CB】 200g
髪にトリートメント効果と同時にカラーが入るので、しっとりサラサラな仕上がりが持続します。 ダメージのある髪でカラーを諦めていた方でも、ダメージを気にすることなくカラーを楽しめます。

ジアミンアレルギーは、誰にでも発症する可能性があるといっても間違いありません・・・・。 繰り返しになりますが、ジアミンアレルギーの予防や対処法はとてもシンプルです。

パッチテストをおこなうこと」と「ジアミンに触れる回数を減らす
たった2つです。

この2つを覚えておいていただき、ジアミンアレルギーにならない方法で、ヘアカラーをお楽しみください。

スタッフコメント

ニィニィスタッフ

カラー剤にはアレルゲンになるかもしれない成分が使われているんですね。

パン吉くん(元美容師バイヤー)

そうなんです。誰にでもアレルギーが出るわけではないのですが、染毛剤の使用回数は少なくした方がいいですね。カラートリートメントも年々イイ商品が出ています。

モモ店長

カラートリートメントは、上手く染まらない場合があるって聞くけど…何か対策はある?

パン吉くん(元美容師バイヤー)

このようなヘアカラー専用のハケを使うと、髪1本1本にムラなく色を入れられますよ。頭皮に色がつくことも少なくなりますし、1回に使う量も節約できます♪

ニィニィスタッフ

ふむふむ!専用のハケですね。
なんか持っているだけでハッケー!(かっけー!)

パン吉くん(元美容師バイヤー)

・・・・。

モモ店長

おあとがよろしいようで…チャンチャン♪